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保護者たちの前で練習の成果を披露する第一亀戸小学校の子どもたち=東京都江東区

 先生の代わりに専門家が週末にダンスを教えてくれる。東京都江東区には、学校5日制が始まったのを機に22年前から「ウィークエンドスクール・こうとう」という制度がある。行政の後押しを受けた半官半民のダンス教室から、児童13人が全日本小中学生ダンスコンクールの東日本大会に出場する。初めてのコンクール。初めての大きな舞台。初めて尽くしの夏になる。

 巨大な東京スカイツリーがビルの間からのぞく下町にある、区立第一亀戸小学校の体育館では、人気のMrs.GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)の曲に合わせて子どもたちが笑顔で踊っていた。指導するのは教員ではなく、ダンスの専門家。亀戸で350人が通うダンススタジオ「studioWILDKIDS(スタジオワイルドキッズ)」が指導を委託されている。PTAなどが運営委員会を立ち上げて、体験教室などを行うと予算がつく。区内45のうち13の小学校で実施中で、同小は将棋やダンス、パステルアート、和太鼓、かけっこ、体操などの教室を実施。約50万円の予算がついている。

 月に1~2回のダンス教室は、昨年度からWILDKIDSに委託。代表の谷崎さとみさん(40)が文化庁の芸術家派遣事業で全国を巡った時に、3日間、指導を受けたのが縁となった。その後、運動会のダンスや地域の盆踊りの踊り方を教わっていたが、昨年、ウィークエンドスクールの校内発表会で子どもたちのやる気を感じとった谷崎さんから「コンクールに出場することで、さらに成長できる」と提案された。教室に参加する児童を中心に13人が手をあげた。

 ダンスの力を信じる谷崎さん…

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